祝!『東京アジテーション3』販売好調!発売後ロングインタビューvol.2!

(2020年12月某日 インタビュアー田口俊輔)

___gaizaoの歌詞や曲のタイトルを読んでお気付きの方もいらっしゃるのではないかと思いますが、映画と演劇について。

語られはしませんが、ヴィジュアル系でありNEW WAVEであり…その要素と同じくらいこの2つの要素も強いのではないかと思います。

 

江戸川:映画も演劇も大好きです。

 

___gaizaoを聴いている方のなかで曲のタイトルにどれくらい映画の要素があるか解る方もいるかと思いますが、それについて反響はありますか?

 

江戸川:意外といるんですよね。CDのなかにあくまでこっそりですけど、映画のタイトルを入れてるっていう。

 

___3rdですと、「溺れる魚」と「田園に死す」ですか。

 

江戸川:おお!「溺れる魚」そうですそうです…。

 

___堤幸彦監督の映画ですよね。そして2ndが「ダイヤルM」、1stでは「北口ブレイドランナー」。江戸川チョヲイチロウ名義では「水のないプール」ですね。

 

江戸川:気付いてくれる人意外にいて。一番多かったのが「水のないプール」でしたね。

 

___gaizaoの見せ方とも繋がってくると思いますし、それだけ影響を受け敬愛しているわけですからね。元々は演劇のところから江戸川長一郎はスタートしているんですもんね?

 

江戸川:僕はミュージカルになるのかな?今はあんまり観に行けないけどミュージカル好きですね。高校がそういう学科だっていうのもあって、友達も舞台方面が多いです。僕のなかでgaizaoのステージを観せる一つの要素になってるのかな。

 

___そもそも映像を観るのが好きだったんですか?それとも自分でプレイする方が好きでしたか?

 

江戸川:今も昔も映像を観るのが好きでしたね!映画!金曜ロードショーは家族で観てました。映画は大好き。

 

___影響を受けた映画はgaizaoの世界観から掴めましたが、影響を受けた演劇などはありますか?演劇も多種多様ですが。

 

江戸川:一番抜け出せないなと思ったのは、寺山修司!さっきのヴィジュアル系っていうファクターとも重なるんでしょうかね…こってりしたご飯が欲しくて。笑

美味しいサラダじゃなくて、つねに豚骨スープが欲しいみたいな。笑

 

___笑

 

江戸川:あの最高の意味でドロドロした感じが好きですね。

 

___寺山ですとどの作品が好きですか?やはり「田園に死す」などですか?

 

江戸川:映画だと「田園に死す」…舞台だと、「壁抜け男レミング」とか「犬神」とか!寺山修司独特の口調で語られるその場その場の文化と文化の交差を抜き出して色んな世界を繋ぐ、ある意味ではコラージュに近いような幻想的な世界にずっと傾倒してますね。

 

___ヴィジュアル的な世界観はgaizaoのコンセプトに踏襲されている部分はありますか?

以前の衣装で黒い学ラン風の衣装がありましたよね。あのヴィジュアルを観ると、脳裏に浮かぶのは東京グランギニョルでした。

 

江戸川:拍手

 

___少年のような。

 

江戸川:もうね。あの世界が好きな人がこんなにいるんだなって嬉しくなりました。僕も好きです。笑

元を辿ると寺山も学ランで演劇をしてたんですよね。ヴィジュアル的にはかなり影響を受けてますね。あとは、中国の方とかアジア圏を題材にする作品が多かった。中国のデザインがすごく好きというのもあって、そのところからも影響受けてますね。学帽もそうで。

 

___gaizaoの歌詞によく中国語の“愛你”という言葉出て来ますよね。

 

江戸川:出て来ますね!言葉もそうだったり、3rdに収録されてる「田園に死す」は収録バージョンとライブバージョンがあって、ライブバージョンでは中国の楽器が鳴ってたりもします。中国の文化が好きなんですよね。あの雰囲気も含めて中華風のテイストは惜しみなく出している部分ではありますね。

 

___自分なりの寺山へのリスペクトを詰め込んでいるんですね。

 

江戸川:かなり。その曲だけ聴くと違うように聴こえないかもしれないですけど、自分のなかで咀嚼した部分ではあるので、リスペクトと踏襲を大事にして表現した部分ではありますかね。

 

___これは是非gaizaoファンのみなさんには収録バージョンとライブバージョンを楽しんで頂きたいですね。

 

江戸川:両方楽しいよっていうのがうちなので。

 

___ヴィジュアル系やNEW WAVE程好きというのを押し出してはいないですよね?

 

江戸川:たしかに…。

 

___それは解って欲しい部分ですか?

 

江戸川:解ってくれたら嬉しいなくらいかな。ライブの展開とか持って行き方として感じてくれたら嬉しいな。あんまり押し出してないのはそういうところからかもですね。

 

___歌詞の作り方が気になっていて、ある種ヴィジュアルやその風景が浮かんでくるような文体を書かれますよね。自分が素養として積み上げて来た台詞まわしのような部分はありますか?

 

江戸川:あると思います。今まで書いてきた歌詞は自分のなかで明確な視覚的なイメージがあって、忘れられないセンテンスとかそういうものを意識はしてます。そう考えると演劇的かもしれないですよね。伝えたい歌詞のところで音数を減らしてみたりとか。

 

___歌詞を読むと括弧が多用されていますよね。歌詞を強調するように。

 

江戸川:おおおおお!田口さんめっちゃみてくれてますね!嬉しいです。驚

 

___あたりまえじゃないですか!笑

 

江戸川:すごい嬉しいです。括弧だらけなんですようちの歌詞。笑

 

___多分、歌詞であり曲であり世界観の1つなんでしょうね。

 

江戸川:聴いてくれたみんなに言いたいことが伝わって、その上でとっ散らかってたらそれがgaizaoですね。

 

___衣装はいつも同じ方にオーダーしているのですか?

 

江戸川:そうですそうです!gaizaoの衣装を作ってもらうようになってからはずっとフルチンさん。『東京アジテーション2』からフルチンさんですね。僕を可愛くしてくれるので。笑

 

___オーダーは可愛くして欲しいの一言ですか?他に何か注文をしたりはしないのですか?

 

江戸川:ああ…。あんまり言わないかな?大まかなデザインを伝えて、画ができた段階で、あとは僕に合わせて可愛い感じでお願いしますって伝えるとフルチンさんが「かしこまりました!」って言って出来てきますね。笑

gaizaoの衣装が可愛いと思った人はgaizaoの世界を理解してくれてると思うので、これからも愛でてね。

 

___ストレートですね。踏み込んで来いと!笑

 

江戸川:どんどん好きになって!笑

 

___ここまではNEW WAVE、ヴィジュアル系、映画、演劇と文化的なgaizaoを構成する要素を伺ってきましたが、最後に今まで伺った要素全てを統括するもの一番大きい構成要素なのではないかというもの、“東京”について…。

 

江戸川:おお!拍手

 

___これはもうgaizaoのCDのタイトルにも冠されていますからね。別に変えても良いわけですから。連作で“東京”と言っていますからね。笑

 

江戸川:あははは!ねー。変えりゃいいのにー。笑

 

___歌詞から感じる世界観で先ほど中国というキーワードもありましたが、「抱かれて、新宿。」だったりとか「北口ブレイドランナー」だったりとか、都市的なもの…東京そのものがgaizaoに与えた影響について教えてください。まず、江戸川長一郎が育った土地や環境は?

 

江戸川:みなさん僕がシティー派…シティーハンターの世界観で生きて来たと思ってると思うけど…。笑

僕は日野市、東京都下の三多摩地区育ちで新宿とか都会に対する憧れがすごくあったんですよ。小さい頃から自分の育った土地を愛してるけど、東京都の方に対する憧憬がずっとあって…行ってみたい…ここが自分のいるところじゃないかも…という気持ちはすごく強かったです。

 

___同じ東京でも、対岸というか隔たれているような気持ちはありましたか?

 

江戸川:ありましたね。それこそ多摩川を渡った後から急に田んぼとか出てくるんですよ。駅と駅の間隔がすっごい広かったり。笑

それを見るたび自分の故郷はここだけど、何処か他の土地に行ってみたいという気持ちが強くなっていって…。

 

___なるほど。そのなかで、東京に対してこだわって作品をつくる理由などはありますか?憧れだけではない、今感じている街というものの侘しさ、汚さ、疎外感のようなネガティブなものは反映されていますか?

 

江戸川:東京アジテーションシリーズをずっと聴いてきてくれる人もいて、すっごい嬉しくて、一個一個の曲がとっ散らかってるっていうのも僕的には筋が通ってて、本当だったらもっとロック色を強調したり、NEW WAVE色を強くした方が聴きやすいと思う。それこそ、推してくれるメディアとかも押し出しやすいはず。でもそのとっ散らかった感じは東京そのものだよなと…。

 

___ああ。

 

江戸川:色んな文化があるじゃないですか。新宿だったら新宿。池袋なら池袋みたいな。んー。渋谷は渋谷!みたいな。きれいだったり、ドロドロしてたり、いろんな世界。いろんな人たちや文化が集まって形成されてる街、東京。

そこから僕が感じたものとか経験したこと、それが僕の描く曲だし、gaizaoで表現していきたいものですね。キャラクターもいれば僕もいます。

 

___街に息づくバラバラな人間模様やキャラクターを描いてるから一曲一曲の雰囲気が異なると。

 

江戸川:(頷きながら)本当だったら何か主題にフォーカスをあてて曲やアルバムを作った方が伝わりやすいと思うんですけど。曲によっては僕が思い描いた人だったりを曲にしたりしてます。その人たちが東京アジテーションの世界のなかで生きていて欲しいというのがあるんです。

もちろん僕が感じたことを歌っている曲もあるんですけど。

 

___これはなかなか明確なコンセプトですね。今まで語ってきませんでしたが。

 

江戸川:言う機会なかったです。笑

 

___なかなか作品のコンセプトをつまびらかに語ることってないですからね。ある意味では、これは以降の作品のネタバレになりますからね。

 

江戸川:あははは。笑

 

___今、シティーポップが流行っていますが、gaizaoもある意味ではその部類ですね。笑

 

江戸川:うちは超シティー派ですから。笑

 

___ドロドロした部分にも焦点を当てていますよね。歌舞伎町のネオンや、ホームにしている池袋手刀の周辺のホテル街などももそんな雰囲気ですよね。

 

江戸川:手刀に出てるバンドマンはみんなあの雰囲気好きだと思いますね。だから何処かでそういうドロドロに焦点をあててる場面もあります。

 

___gaizaoの歌詞をみていて思うのですが、一人称になっているところは長一郎さんが日野市でみていた風景なのかなと思います。

 

江戸川:そこから成長して今になっているので、gaizao以外の音源も聴いてくれるとつながるかなって思いますね。gaizaoの世界観ともつながると思う。

 

___このインタビューを読んでいる方で、江戸川チョヲイチロウ名義時代の曲をまだ聴いていない方には『1』を聴いて頂きたいですね。

 

江戸川:おー!そうですね!

 

___それ以前の音源も気になる方は是非とも!

 

江戸川:あははは。すごく聴き苦しいと思いますけど…。笑

あの頃の音源は何処かにあるかな…。笑

 

___その昔対バンしていた方々も色んな方々がいましたもんね。

 

江戸川:今は直接連絡をとったりはないんですけど、江戸川チョヲイチロウ以前に対バンしていた人たち本当に才能の塊な人たちばかりでした!ライブに行っても全然どのバンドもジャンルが被らなくて。面白かったです。そこで交友もあったので。

みんな自分の界隈がわからなくて、どうしていいかわからなくて、でも仲の良い奴らと音楽がやりたいっていう気持ちが強かったんじゃないかなって。

あの感じ…当時、何処にも分類してもらえなかった疎外感はありました。だからすごく嬉しかったですよ。可愛がってもらってましたね。笑

疎外感とかみんな感じることもあると思うんだけど、そんな人たちに『東京アジテーション』シリーズが届いたらなって思いはある。

 

___まだ先は未定かもしれませんが、今の時世、バンドマンやアーティストもたいへんな時期だと思います。これからもgaizaoが活動をを続けていくために何が必要だと思いますか?

 

江戸川:僕自身がもっと色んな音楽を聴いて、もっと色んな人と…なかなか出会うというのは難しいかもしれないけど…色んな人と出会って自分の発想を柔軟にしていくのが必要かな。

僕がやっているのは音楽なので、色んな経験をしてそれを聴いてくれる人が格好いいなって思ってくれるような曲にできたらいいですね。

自分の引き出しをもっと増やすことが今後のgaizaoに必要ですね。

 

___そのなかで自分のなかで変わっていくもの、変わらないものは自分で意識されますか?

最近では関西にも行っていて、何か影響を受けたりとか。

 

江戸川:これはすごく感じていることがあって。関西の人たちのデザインにはすごく興味がありますね。東京の雰囲気とは違うもの。デコラティブなものが大阪のデザインには多かったので、それはもうめちゃくちゃ格好いいと思いました。刺激を受けましたね。

 

___なるほど。関西圏などの影響も受けてそれでもgaizaoとして変わらない部分はありそうですか?

 

江戸川:そうですね…序盤でも少しお話しした、僕が感じるちょっとした哀愁だったりとか、なんとない焦燥感だったりとか、きゅんとするようなものとか、そういう部分はきっと変わらないですね。変化するかしれないけど、それは進化でありたいですね。

 

___これからもこの東京という街で叫び続けて頂きたいものですね。これからのgaizaoも楽しみです。

 

江戸川:インタビューたくさんありがとうございました!読んでくれたみんなもありがとう!

 

終了